エコじゃない

少し前,会社で各人になにかエコ目標を立てろ,ということになった.そう言われてもたとえば車には乗ってないので,アイドリングストップだとか車でなく電車に,というのは実践できない.つまりもとの生活スタイルがそれなりにエコなわけで,仕方がないので微々たるものと思いつつ 「待機電力の削減」 を掲げておいた.すなわち,使ってない電化製品はコンセントから引っこ抜いておく,ということである.
実際これを実現すると,一定の成果はあったように思われた.テレビは待機電力をそれなりに使っていそう (電源ランプも光るし) なわりに使用頻度は低い.プリンタは待機電力以前にしばしば電源を切り忘れられているので,プラグを抜くことによってこれを忘れない効果がある.モデムも使用していないときにはまったく必要のない機器である.テレビもそうだが,寝るときに部屋が暗くなって寝やすいという効果もある.
しかしこの中に,問題があるものが混じっていることに気づいたのだった.どうやら,プリンタは抜いてはいけないようだ.
今日,久々に印刷しようと電源を入れた.久々といっても 1 ヶ月ぶりくらい,最近は大体いつもこのような使用頻度である.目的のものを刷ってみると,しましまに薄い部分ができている.マニュアルを見るとこれはノズルが詰まっているのであり,ノズルチェックおよびヘッドクリーニングをせよとのこと.結局途中でなくなったインクを交換しつつ 4 セットこれを行う必要があった.
ここで考えたのだが,特に使用頻度が変わっていないのに今回に限ってノズルが詰まっているのはなぜか.そもそもプリンタは長い間使わずに置いておくと詰まる,ということは知っているわけだが,今まで 1 ヶ月くらい置いておいても大丈夫だったのであり,だから長いというのはもっと長い間だと思っていた.ところが今回詰まった.つまり 1 ヶ月放置してはダメだ.
これに気づいたのは,めったにやらないヘッドクリーニングやらインク交換の操作を調べるためマニュアルをめくっていたときである.トラブルシューティング 「黒しか使ってないのにカラーインクが減る」 (まったくこれには昔から悩まされる) の回答のひとつに 「セルフクリーニングにより減る」 とあったのだ.
セルフクリーニングについて 「印刷間隔が空くと行われる」 という以上のことは調べても明らかにならなかったのだが,まずこれは電源を切っていても行われるのであろう (使ってないのに電源を入れておかねばならない家電があろうか).しかしコンセントから引っこ抜かれていては当然行われない (バッテリーのようなものはなさそうだ).使ってないからとずっとコンセントと分離していたためにセルフクリーニングが行われず詰まってしまった,ということだろう.結果的にインクは減るし全然エコじゃない.
ということで,プリンタのプラグは差しておくことにした.この分だと他にも抜いてはいけないものが混ざっていそうで怖い.ノート PC は抜いておくとバッテリーが減るが,むしろ差しっぱなしでちょくちょく充電されるほうがバッテリーに悪そうだ,などと思って抜いているのだがこれは本当か.どちらにしろ使っているときは差してあるのだが,「充電しつつ使う」 というのは携帯電話などではバッテリーを傷めるとされていたのではあるまいか.
わからない.わからないのでひとまずこのままだ.冷蔵庫のプラグを抜いてはいかんというのはさすがにわかるのだが.電子レンジはどうなんだろう.洗濯機は.